結果的に保険をご利用にならない場合は、一切の事故報告が不要です。
ただし、2つ注意点があります。
ここでは仮に、保険事故(※保険契約でのお支払い対象となる事故を指します)が発生したにもかかわらず、保険会社への報告を行わなかった場合を想定してお話しします。
万が一、解決まで時間がかかったうえで、相手方やお車、或いは家屋の修理先事業者との話し合いの結果、損害額を鑑みて「やっぱり保険を使いたい」となった場合、保険会社への報告は事故発生時から大幅に遅れてしまうことになります。
保険の約款ルール上では、保険契約に関する事故の報告は「原則として事故発生時もしくは事故発生を知ってから30日以内」に行うことと明記されています。その意図は、期間が空きすぎてしまった場合に、事故の証拠や当事者の記憶・証言が曖昧になり、保険金支払いの対象(有責)として判別することが困難になる可能性を避けるためです。
そのため、私共と致しましては、「保険を使用するかしないかまだ決まっていない状態」、「損害額の目安が分からない状態」、もしくは「損害額がなんとなく分かってはいるが、話の決着までが長くなりそうな状態」の際には、事故報告をしていただけると幸いです。
尚、結果的に保険を使用しないことになれば、翌年の保険料や等級に影響が出ることはありません。
もう一つの注意点は、被害額の算定についてです。
ここ最近、日本国内では物価高の影響が大きくなってきております。
物の原材料の値上げや人件費の高騰などにより、例えば10年前や5年前と現在を比較すると、自動車や家屋の修理・建築価格は大きく跳ね上がっています。それは当然、事故によって発生した示談金や認定額にも大きく影響してきます。
このような状況が今後しばらく続いたとして、今日発生した事故の示談を1年後に行うような場合、高確率で金額面で揉めることが予想されます。
法律上はあくまでも「事故時の価値(時価)を賠償すれば良い」とされています。しかし、被害者からすれば物価高は自分のせいではありませんし、話し合いが長くなってしまっても「それは加害者側が折れなかったからであって、自分のせいではない」と主張することができます。
結論:保険を使う予定がなくても「とりあえず事故報告」はおすすめです
ここまでお読みいただいた通り、「保険を使うかどうか迷っている段階」や「損害額がはっきりしない段階」では、事故報告をしておいた方が安心です。
理由は大きく分けて、次の2つです。
- ① 約款上の報告期限を守るため
後から「やっぱり保険を使いたい」となったとき、事故発生から時間が経ちすぎていると、証拠や記憶が曖昧になり、保険金支払いの判断が難しくなる可能性があります。 - ② 将来の物価変動・修理費高騰に備えるため
示談や修理の話し合いが長期化すると、その間の物価高騰により、当初の想定よりも被害額が大きくなることがあります。そのときに保険を使えない状態だと、自己負担が増えてしまうリスクがあります。
「報告だけしておく」という選択肢
私共への事故報告は、「保険金請求を必ずしなければならない」という意味ではありません。あくまでも、
- 事故の事実を記録しておく
- 後から保険を使いたくなったときの備えをしておく
というイメージで捉えていただければ大丈夫です。結果的に保険を使わなければ、翌年の保険料や等級に影響が出ることもありません。
では「報告しなくてもよい」ケースはあるのか?
最初から損害額がごく軽微であり、保険を使う可能性がほぼゼロと判断できる場合には、事故報告をされない方もいらっしゃいます。
例えば、
- 自分の車のごく小さな擦り傷で、修理をしないと決めている場合
- 相手方も修理や賠償を一切求めておらず、書面も残さないことで合意している場合
このようなケースでは、実務上、事故報告をされないこともあります。ただし、少しでも迷いがある場合や、相手方がいる事故の場合は、原則として報告しておく方が安全です。
迷ったら、まずは当社に「相談ベース」で連絡を
「これは報告した方がいい事故なのか」「保険を使うべきかどうか分からない」と感じたときは、『相談ベースで聞いてみたいのですが』とお伝えいただければ大丈夫です。
保険代理店としては、
- 報告した方がよいかどうかの目安
- 保険を使った場合・使わなかった場合のメリット・デメリット
などを、できるだけ分かりやすくお伝えすることができます。「使う気がないから連絡してはいけない」ということは決してありませんので、遠慮なくご相談ください。
まとめると、「保険を使う気がなければ報告は絶対不要」ではなく、
『迷うなら、とりあえず事故報告・相談だけしておく方が安心』というのが、実務的な答えになります。